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マンホールから作業員4人が転落して死亡した現場=2025年8月3日午後2時20分、埼玉県行田市、小崎瑶太撮影

 埼玉県行田市で2日に作業員4人がマンホール内で転落して死亡した事故で、埼玉県警は4日、4人の死因は硫化水素中毒や窒息と推定されると発表した。いずれも司法解剖の中間結果で、今後さらに調べる。4人の体には擦り傷や打撲も確認されたという。

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 県警捜査1課によると、行田市の本間洋行さん(53)と北本市の男性(54)の死因は硫化水素中毒と推定。上尾市の樋口英和さん(56)と鴻巣市の松村誠さん(54)は窒息死と推定された。

 消防が救出に入った際、下水道管内は目視で約1.8メートルの下水があり足が底に付かない状態だった。県警や消防は、事故の原因や安全管理の問題がなかったかも含め調べている。

 4人は三栄管理興業(さいたま市)の社員で、1月に埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故を受け、国が自治体に求めていた特別重点調査に関わる作業に当たっていた。同社は3日、事故当時、マンホール内の硫化水素の数値が、国の基準の15倍にあたる150ppm以上だったと明らかにした。硫化水素を吸い込まないようにするためのマスクは用意されていなかったという。さらに、4人は安全帯を身につけていなかったという。

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