ミカン畑などでドローンを飛ばす技術を教える「スマート農業ドローンスクール」を今年、愛媛県八幡浜市の農業生産法人「ミヤモトオレンジガーデン」が開いた。
過去2年間の試行錯誤で蓄積した成果を余すことなく伝える。同法人によると、かんきつ農家がドローンスクールを開くのは国内初。他県の農家も受講に来ている。代表の宮本泰邦さん(48)に開校した理由などを聞いた。
――農薬や肥料の散布など、農業の現場でドローンは急速に普及しています。スクールは何を教えるのでしょう
かんきつ栽培の現場でドローンを飛ばすには、特化したカリキュラムが必要です。
水田や平らな畑では一定の高度で飛べばいいですが、段々畑で果樹との間隔を保ちながら適切な高度で操縦するには、高い技量が求められます。
この分野での蓄積は、全国的に私たちが最も進んでいると自負しています。
散布する農薬の知識、自動運転に必要な畑の測量、ドローンを飛ばしやすい畑にするノウハウなども教えます。
ドローンが秘める可能性
――かんきつ栽培でドローンを飛ばすメリットは
県内のかんきつ農地では、動力噴霧器を使って手で散布する方法や、地中に埋めたスプリンクラーで農薬をまくのが一般的です。今も人力頼みで、重労働の手散布が多い。
少子高齢化による人手不足は、特に南予(愛媛県南部)では、もはや限界に近いところに来ている。かんきつ農業は急傾斜地ゆえの作業負荷の大きさが響き、特にスプリンクラーがない園地では耕作放棄地が急増しているのが実情です。
そんな中でドローンはいくつもの問題を同時に解決する可能性を秘めています。
たとえば80アールの畑で…