店を営んでいた小池まつさん(左)と長嶋茂雄さん=親族提供

 3日に89歳で亡くなった「ミスタープロ野球」長嶋茂雄さんは、野球ファンのみならず多くの人たちに愛されてきた。東京都内でも、長嶋さんとゆかりのあった人たちが、国民的スターとの思い出に触れ、別れを惜しんだ。

  • 長嶋茂雄さんが死去、89歳 「ミスタープロ野球」の元巨人監督

常連のおでん店 注文は「おばちゃんのお任せ」で

 長嶋さんが常連だった東京都大田区のおでん店「グランド小池商店」を営んでいた高橋文子さん(71)は、3日朝、テレビに流れるテロップで逝去を知った。最後に会ったのは20年近く前。「王(貞治)さんと一緒に。亡くなる直前の母と、握手してくれました」

長嶋茂雄さんとの思い出を話す高橋文子さん=2025年6月3日午前11時14分、東京都大田区、中村英一郎撮影

 店は1950年代、文子さんの父の小池三郎さん(享年101)と母のまつさん(同83)が始めた。近くに巨人軍が使用する旧多摩川グラウンドができると、「選手が食べに来る店」として繁盛し、北海道や鹿児島からもファンが訪れたという。

 文子さんも小学生のころから店を手伝い、「選手がテレビの前でゴロゴロしている座敷で育った」と笑う。

 物心がついたときから長嶋さんはスター選手だったが、「ミスタープロ野球」は、よくフラッと1人で来店した。母に「今日もおばちゃんのお任せがいい」と伝え、母は味のよく染みた具を選んだ。「長嶋さんにとって、ホッとできる場所だったのかな」

「グランド小池商店」を営んでいた小池三郎さんとまつさん。店内には選手らのサインや写真が、数多く飾られていた=親族提供

唯一、手元に残した色紙

 巨人がグラウンドを使わなく…

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