Smiley face
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博覧会国際事務局のケルケンツェス事務局長(左)、大阪・関西万博公式キャラクターの「ミャクミャク」(右)らの表敬訪問を受ける石破茂首相=2025年1月17日、首相官邸、岩下毅撮影

 石破茂首相が、開幕まで2カ月を切った大阪・関西万博に前のめりな姿勢を強めている。会場視察のため大阪に足を運び、伸び悩むチケット販売を受けて追加のてこ入れ策も講じた。万博に力を入れる日本維新の会から、国会運営での協力を得たいとの思惑もにじむ。

 首相や閣僚らが日々出入りする首相官邸のエントランスホール。昨年12月、高さ約1メートルの万博公式キャラクター「ミャクミャク」が登場した。首相は出勤時、立ち止まって眺めたり、手を振ったりするのが日課となった。首相が言葉をかけるときもあるといい、2月上旬には人の接近を感知してしゃべる仕組みがミャクミャクに内蔵された。

 これまで、政府の万博への取り組みはあまり目立たなかった。膨らむ費用、完成が危ぶまれた各国のパビリオン、伸び悩むチケット販売――。課題山積の万博に対し、政府内には「関わりあいを避けるような雰囲気もあった」(官邸幹部)という。

 しっかり対応するように発破をかけたのが首相だった。年明け早々に万博の名誉会長に就任すると、閣僚に「ミャクミャク」のピンバッジを着用するよう要請。通常国会開会前の1月19日には、会場となる大阪・夢洲(ゆめしま)を訪れて準備状況を視察した。

 視線の先に見据えるのは、国…

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