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強制送還され、関西空港に到着した藤沼登夢容疑者=2025年3月25日午前8時20分、伊藤進之介撮影

 日本の高校生をだましてミャンマーの詐欺組織の拠点で働かせようとした疑いで、2月にタイの警察当局に逮捕された日本人の男(29)が強制送還され、大阪府警が25日、府内で起きた別の事件をめぐる監禁容疑などで逮捕した。高校生を現地に誘った経緯については、府警の捜査後に調べが始まるとみられる。

 捜査関係者によると、男は藤沼登夢(とむ)容疑者。府警は、特殊詐欺への加担者をSNSなどで募り、犯罪組織の関係者に紹介して報酬を得る「リクルーター」とみている。

 一方、高校生は宮城県の少年(17)で、藤沼容疑者とはオンラインゲームを通じて知り合い、「良い仕事がある」などと誘われてタイに渡航したとされる。1月にタイ警察に保護され、すでに帰国している。

 藤沼容疑者の逮捕容疑は昨年8月、他の男らと共謀し、大阪市内の路上で知人男性(当時26)を車に乗せて連れ回し、暴行を加えたりスタンガンを押し当てたりしながら監禁するなどしたというもの。府警が逮捕状を取って行方を捜していた。

 これまでの捜査で、藤沼容疑者側と男性はいずれも特殊詐欺のリクルーター役を担っていた疑いが浮上しており、府警は、仕事上の金銭トラブルによる仲間割れが背景にあったとみて調べている。

 藤沼容疑者は2月、ミャンマーの最大都市ヤンゴンからバンコク近郊の空港に到着した際にタイ警察に身柄を拘束された。現地での調べは終わったとみられ、強制送還されて25日朝に関西空港に到着した。

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