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 ミャンマーで全権を握る国軍は18日、年末から年始にかけて実施予定としていた総選挙を12月28日から始めると発表した。国内では国軍と武装勢力の戦闘が続いており、国軍は総選挙の投票日を複数回に分け、「段階的に行う」としている。12月28日以降の日程は後日公表する。

 国軍統制下の選挙管理委員会によると、総選挙には55の政党が参加を予定している。ただ、2021年の国軍のクーデターで拘束されたアウンサンスーチー氏が率いてきた国民民主連盟(NLD)は事実上解党され、国軍に反発する政党は選挙のボイコットを表明しており、総選挙は国軍系政党が勝つ可能性が高い。

国軍が空爆、住民ら24人死亡

 国軍は、国軍系政党が敗北した20年の総選挙で不正があったと主張し、クーデターを起こした。次の総選挙で国軍系政党に勝利させて「民政復帰」を演出し、国軍統治の正統性を国内外に示す狙いがあるとみられている。

 ただ、国軍と戦闘を続けている武装勢力は、総選挙の実施に反発している。国軍がミャンマー全土で総選挙を実施するのは困難とみられている。国軍は統治地域を広げようと、武装勢力への攻撃を強めており、独立系メディアによると、東部カヤー州で17日、国軍による空爆で少なくとも住民ら24人が死亡したという。

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