ミャンマー最大都市ヤンゴンで2021年3月16日、バリケードを作り、治安部隊と衝突するデモ隊=ロイター
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 国軍が全権を握るミャンマーで、日本企業の現地法人に勤務する日本人男性(53)が当局に身柄を拘束されました。現地で何が起きているのか。ミャンマー情勢に詳しい、日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所の長田紀之研究員(ミャンマー政治史)に聞きました。

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 ――ミャンマーで、イオンの子会社に勤務する日本人男性が拘束されました。地元メディアは「コメ価格を値上げしたため国民が高値で購入しなければならなくなり、市場の安定を乱した」と報じています。

 現時点では、限られた情報にしか接しておらず、拘束された男性が置かれた状況について語るのは、難しいと言わざるをえません。

 今後は外交ルートを通じて、日本政府が国軍側に男性の解放を求めて働きかけるものと見られます。国軍側も、外交上の考慮から外国人には慎重に対応するのではないでしょうか。少しでも早く、無事に解放されることを祈ります。

 ――ミャンマーでは、主食のコメなど食料品価格が高騰し、国軍がその責任を小売業者に押しつけている、という見方があります。6月には「ミャンマー・コメ連盟」の会長らが拘束されたと報じられています。

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