Grab Them. Then Stump Them.
メディアやIT企業が購読者を獲得し、リピーターを増やすためにますます頼りにしているものを5文字で表すと？ GAMES（ゲーム）だ。
アップルは昨秋、定額制ニュースサービスの中で、単語で遊ぶパズルをリリースした。マイクロソフト傘下のリンクトインも今春、単語ゲームを発表。モーニング・ブリュー、ワシントン・ポスト、ヴォックス・メディア、ボストン・グローブなどのニュースサイトは、クロスワードの他にも新しいパズルを追加し、ゲームに携わるスタッフを雇った。あなたが読んでいるこの記事の会社も、頭脳ゲームに投資している。
だが、正確には、楽しいことばかりではない。グーグルやX（旧ツイッター）、そしてメタなどがニュースを重視しなくなり、メディア企業がアクセス量の減少に直面する中で、ゲームは新たな読者を獲得する手段になっている。編集サービスを提供するIT企業にとって、パズルは新規購読者を引きつけ、アプリに毎日戻ってくるとは限らない既存のユーザーをつなぎとめる手段なのだ。
ゲームで購読者増 手応え感じるメディア
「出版物とは、ストーリー以上のもの。それは楽しい経験であり、喜びでもある」と話すのは、発行元のためにパズル制作を支援するソフトウェア・プラットフォームの販売元アミューズ・ラボの共同創業者で、元ジャーナリストでもあるジョン・テンプル氏だ。「新聞のクロスワードを何年も解いてきたのと同じような、満足できる体験を再現したい」
- 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」
新たな読者を獲得し、既存の読者をつなぎとめる切り札として、メディアがゲームに注目しています。ニューヨーク・タイムズがその背景を取材しています。
ゲームやパズルを加えることは、ここ数年、多くの発行元の戦略の中心となっており、アップルやリンクトインが参入したことで、ここ数カ月でその勢いが高まっている。ネットフリックスやスポティファイ、その他のデジタル・エンターテインメントに対抗して、ニュースを扱う会社やIT企業が消費者の注目を集めようとしのぎを削っているため、他の企業も追随する可能性が高い。
ゲームの多くは、「コール・…
