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研究のイメージ図=原広司・横浜市立大准教授が生成AIで作製

 うつ病や統合失調症といった精神疾患と診断されていなくても、メンタルに不調を抱えながら働いている人は少なくない。日本全体でどれほどの経済損失が出ているのか。横浜市立大や産業医大などの研究チームはGDPの1%強に相当する年間約7.6兆円だと推計し、専門誌に発表した。

 出勤していても心身の不調で本来のパフォーマンスを発揮できない状態は「プレゼンティーズム」と呼ばれる。病気などによる欠勤(アブセンティーズム)以上に企業や組織に大きな経済損失をもたらすとも指摘されているが、全体像はよくわかっていなかった。

 研究チームは2022年、20~74歳の働く2万7507人を対象にネット調査を実施。「気分が沈む」「眠れない」といったメンタルヘルスに関連する症状の頻度や、症状があるときの仕事の「量」と「質」を国際的な指標に基づき各0~10点で評価してもらった。性別や年齢、地域を考慮した上で、年齢層ごとの人口、就業率、平均賃金とかけ合わせて日本全体での経済損失を推計してみた。

 その結果、メンタル不調によ…

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