(17日、第107回全国高校野球選手権宮城大会2回戦 仙台商5―0聖和学園)
「2年連続の夏の甲子園へ」――。そんなチームの悲願は、かなわなかった。「自分の詰めの甘さが出た」。聖和学園の高階(たかしな)敢太捕手(3年)は悔やんだ。
打たせて捕る序盤のリードを続けた結果、六回、先発の高橋歩汰投手(3年)がつかまった。一挙5点を失った。
昨夏はベンチ入りできず、応援団長になった。甲子園ではアルプススタンドから声援を送った。昨秋の県大会前には練習を怠けがちになり、メンバーから外された。
「何しているんだろう。チームのみんなに申し訳ない。ここで変われなかったら人としてだめだ」。一念発起して春にはメンバーへ復帰。日々の声かけを大切にし、信頼される捕手になった。
夏の甲子園後、新チームは昨秋の県大会で2回戦敗退。だが、この春は県大会で準優勝し、東北大会では初の1勝も挙げた。「見たことのない成長曲線を描いた」と八島知晴監督。チームの成長と比例するように、高階捕手も成長していった。
「今度は、甲子園のグラウンドに立つ」。誰よりも強い思いで臨んだ夏だった。「迷惑をたくさんかけてきたけれど、見捨てず、一緒に戦ってくれたみんなに感謝している」。涙の残る目でつぶやいた。