物流大手のヤマトホールディングス(HD)と日本航空グループは11日、新千歳空港に貨物専用機を就航させた。荷物の増加に加え、働き方改革などに伴う「2024年問題」によるトラック運転手の不足を補い、貨物専用の航空便で輸送力の維持やサービス向上をめざす。
導入された専用機は2機で、中古のエアバス社製旅客機を改造した。かまぼこ形の専用コンテナが計24基、大型トラック6台分にあたる計28トンの重さの荷物が積載できる。
当面は新千歳、成田、北九州、那覇の4空港で1日9便を運航。うち、新千歳―成田を1日2往復する。運航は日本航空と、同社が出資する格安航空会社スプリング・ジャパンが担当する。近く1機が追加導入され、今夏には新千歳―羽田便1往復を含む1日13便体制になる。将来的には1日最大21便体制をめざす計画という。
新千歳空港では11日正午前、関係者が成田空港からの最初の到着便を出迎えた。その後、荷物の積み下ろしに1時間半余りをかけ、再び成田空港に向けて飛び立った。
ヤマトHDの栗栖利蔵副社長は「農産物や海産物だけでなく、工業製品などにも時間と距離を超えたスピードという価値を提供できるようになった。近くで製造されるラピダス社の半導体事業では、製品や部材の輸送でいろいろお手伝いができると思う」と述べた。(松本英仁)