大阪・関西万博の会場で、蚊に似た羽虫のユスリカが大量に発生している問題について、日本国際博覧会協会は26日、発生を抑えるための対策本部(本部長・石毛博行事務総長)を設置したと発表した。同日に1回目の会合が開かれ、これまでの対応状況などについて確認した。今後は発生源の特定を進めるとともに、有効な対策を専門の事業者と検討するという。
高科淳・副事務総長によると、会場に飛来しているのはユスリカ科の「シオユスリカ」と確認された。夕方から夜にかけて、噴水ショーが開かれる会場南側の「ウォータープラザ」付近や大屋根リングの上など、広い範囲で飛んでいるという。
シオユスリカは、感染症を媒介したり人を刺したりすることはないという。だが、大量発生について来場者やパビリオンのスタッフから不快を訴える声が相次いでいた。
協会は、発生源とみられる水たまりや植栽に繁殖を抑える薬剤を投入したり、殺虫ライトを設置したりするなど、様々な対策を講じてきた。殺虫剤を販売する「アース製薬」(東京)から、害虫対策スプレー数百本の提供もあったという。
しかし現状は、「会場への大量飛来を抑えることができていない」という。高科氏は「環境への影響を考慮しながら、大阪府や大阪市と協力し、全力かつ迅速に対応を続けていく」と述べた。