長崎県の離島、対馬でユーラシアカワウソが生息していることを約5年ぶりに確認した、と高知大学の研究グループが発表した。対馬では2017~18年に環境省調査で生息が確認されていたが、その後は消息がつかめていなかった。昨年2月にふんを採取し、解析したところ、前回確認されていた個体群と同一系統に属することが判明し、「カワウソが対馬で繁殖し、定着している可能性がある」としている。
対馬では17年に野生のカワウソが撮影され、国内では38年ぶりの生息確認と注目された。18年にかけて環境省が実施した調査では、ふんからユーラシアカワウソのDNAが検出され、オスとメスが少なくとも2匹ずついると推定された。海流に乗って韓国南東部から流れ着いたとされている。しかし、19年以降はふんなどの直接的な痕跡が確認されていなかった。
今回、発表したのは、高知大理工学部の宇田幸司准教授(48)=比較生化学=が代表を務める研究グループ。カワウソの研究者らでつくる団体「対馬カワウソネットワーク」のメンバーで、高知市の会社員、山本大輝さん(28)が昨年2月に対馬の水辺でふんを見つけ、宇田准教授の研究室で解析した。
その結果、韓国に生息するユ…