「AIで作る」から「AIを作る」へ――。クリエーター集団のライゾマティクスが問題提起に満ちた個展を開いている。販売しているのは、独自に制作した生成AIモデル(プログラム)で550万円(税別)。ライゾマ主宰者の一人、真鍋大度(だいと)さん(48)は、「複製の時代から生成の時代に入った」と話すのだ。
時にモザイクのように、時に流れるように。カラフルで抽象的なイメージが複数の大画面に次々現れる。東京・天王洲のギャラリー「KOTARO NUKAGA」で開催中の個展(10月14日まで)はそんな光景が広がるが、今回の本当の作品は黒い小箱に収められたコンピューターに入っているAIモデルだ。展示は、このAIの考え方や可能性を示すものだ。
真鍋さんは、「複製芸術ではオリジナルに一番価値があったが、AIが実質的に無限に生成する画像にどんな価値があるのか。生成物ではなく、AIモデルそのものに価値があるのではないか」と考えたという。
モデルを作るには技術力に加え、大量の画像を学習させるために著作権の問題をクリアする必要がある。
「ウェブ上の大量のデータを…