「JOTU―FM、JOTU―FM、こちらは横浜エフエムです……ただ今より放送を開始いたします」。1985年12月20日午前6時、横浜エフエム放送(FMヨコハマ)が開局した。
社長のあいさつに続き、当時の長洲一二・神奈川県知事が「このFMを、みんなで愛して大きく育てていきたい」と祝辞を述べ、司会者は「横浜からFMラジオの新しいうねりを広げてまいります」と声を張った。
横浜市中区の山下公園に面した産業貿易センタービルにスタジオを構え、全国ネットに参加しない、FMラジオ初の独立局として誕生。音楽中心の編成で、県内はもちろん東京都全域と千葉、埼玉、茨城、静岡各県の一部で聴取可能な3千万人をターゲットにした。
開局時のキャッチフレーズは「右へ数センチで、夏です」。ラジオの周波数合わせはダイヤルが主流だった時代、既存FM局より数センチ右に回すと、燃える若者のイメージの放送が聴ける、というアピールだった。
開局の3日前に生まれた小林大河さんは、局と同じく今年で「40歳」。現在、FMヨコハマの月~木の昼の帯番組「Kiss & Ride」でDJを務める。その半生にラジオは、どう重なるのか。
小林さんは幼少期、南米ベネ…