世界最先端の半導体を開発している「ラピダス」(東京)が4月、北海道千歳市の工場で試作を始める。計画通り2027年に、安定して大量供給できる「量産」が実現すれば、道内に一大拠点が生まれ、地元経済は潤う。5兆円規模とされる異次元の国策を、道や市も「特例」による急ピッチのインフラ整備で支援する。
試作に間に合わせるための「特例」の工事が、今月末に「完成」する。
JR南千歳駅近くから工場への4.1キロに及ぶ専用水道管だ。通常4年かかるところを2年弱の突貫工事で仕上げた。
ラピダスが千歳市に拠点をつくることが決まった23年、大量の水の調達が課題となった。すでに「25年4月に試作、27年に量産を開始」という日程が示されていた。道路や下水などほかの新規工事は27年まででもいいが、試作に使う1日4千立方メートルの水を確保する手立てだけは、絶対に欠かせないものだった。
「一括発注方式」連発 神業レベルへの挑戦
そこで市は、設計と施工をま…