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真下から見た留寿都風力発電所の風車=2024年6月24日、北海道留寿都村、日浦統撮影
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 札幌から車で1時間半。夏は遊園地やゴルフ、冬はスキー場として親しまれるリゾート地、留寿都村(るすつむら)がコロナ禍を経て「風力発電の村」になった。米国系発電会社、インベナジーウインドが日本で初めて建設した巨大陸上風力発電所が3月から営業運転を始めたからだ。総出力は63メガワットで道内3位。村の約32倍にあたる3万5千世帯分の電力をまかなう風車群は、農業とリゾートの村の姿をどう変えるのか。

 24日、ルスツリゾートのホテルで開かれた竣工(しゅんこう)祝賀会。インベナジー社のブライアン・シューラー副社長が「クリーンエネルギーは地域の皆さまと経済のために機能しなければ成功とはいえない」とあいさつ。2年前に二酸化炭素の排出量を50年までに実質ゼロにする「ゼロカーボンシティー」を宣言した留寿都村の佐藤ひさ子村長は「ここからクリーンな電力が各地に送られることは、ゼロカーボンに取り組む市町村を後押しし、次世代が活躍する未来への贈りものになる」と語った。風車によって年間約6万4千トンの排出量が削減できる計算だ。

 ホテルから南東の丘陵地に立つ高さ約150メートルの風車は米GE社製。陸上風力としては日本最大級の4.2メガワットの風車15基がへの字の形に並んでいる。

当初50基を計画 住民の反対などで計画縮小

 2015年の計画発表時は伊…

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