2025年5月30日、ラトビアの首都リガで記者会見を行うリトアニアのパルツカス首相=ロイター

 バルト3国のリトアニアのパルツカス首相は31日、首相を辞任する意向を表明した。最大与党の社会民主党の党首も辞任する。パルツカス氏が共同で所有する企業に対し不正融資の疑惑が浮上し、辞任を迫られていた。

 リトアニアの公共放送LRTなどによると、パルツカス氏が一部所有する企業が同国の国立銀行から不正融資を受けた疑惑があった。さらに31日には、親族が所有する関連企業が金融犯罪捜査局によって別の不正で家宅捜索を受けた。同氏はいずれも疑惑を否定している。

 パルツカス氏の辞任表明を受け、社会民主党内で次期首相をめぐる協議がおこなわれるとみられる。

 リトアニアでは昨年10月の総選挙で、社会民主党が中道右派の「祖国同盟」を抑えて第一党になった。ポピュリスト新党とともに12月、3党連立政権を樹立していた。

 リトアニアは西にロシアの飛び地のカリーニングラード、東にロシアの同盟国のベラルーシと接し、北大西洋条約機構(NATO)の中でも脆弱(ぜいじゃく)な地域とされる。パルツカス氏の連立政権のもと、リトアニアは2026年から30年にかけて防衛費を国内総生産(GDP)比5~6%に増額することを承認していた。

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