Smiley face
水がなくなり、底がひび割れた池=2024年5月6日、岐阜県瑞浪市大湫町
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が近くで進む、岐阜県瑞浪市の大湫(おおくて)地区の井戸やため池などで水位の低下が相次いでいることがわかった。JR東海は14カ所で水位低下を確認し、トンネル工事による湧水(ゆうすい)が原因とみて、13日に住民説明会を開いた。代替の水源確保や補償などの対応を進める一方で、状況を見ながら、リニアの工事は進める予定だ。

 JR東海によると、水位低下を把握したのは2月下旬。工事の影響を調査するために設置した水位観測用の穴で水位低下がみられたという。

 その後、井戸に水位計を設置するなどして調査し、個人用の井戸9カ所、水源・ため池5カ所で水位の低下が確認されたという。

 リニアの中間駅ができる中津川市から名古屋方面に向かう途中の位置にあたる、大湫町の地下を貫く形でリニアの日吉トンネル(南垣外校区、全長7.4キロ)の工事が行われている。現在、地域住民が暮らす地区の手前までトンネルが掘り進められているという。

 JR東海はリニア工事と水位低下の因果関係は確認できていないものの、「他に工事をやっていないので、(水位低下は)リニアの工事によるものと考えている」(JR東海広報部)として、住民らへの補償交渉を進めている。

 13日夜には大湫町の住民説明会を開いた。井戸水を上水道に切り替える工事をJR側の負担で実施するなどの対策を説明した。また、今後、減水した水源の代替地を確保するため、新たに2カ所で井戸を掘るほか、給水槽も新設するという。

 リニア中央新幹線は品川―名古屋(約285.6キロメートル)を最速40分で結ぶもので、工事区間のうち86%がトンネル区間となっている。(米田怜央、寺西哲生)

■水が完全に抜け池の底ひび割…

共有