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リンゴの未利用部分からつくられた「アップルクリレ」(写真左)=ホテルJALシティ青森提供

 リンゴをジュースにしたあとの未利用部分を原料にした青森発の甘味調味料「アップルクリレ」を使ったメニューの提供が、青森市のホテルJALシティ青森で始まった。同調味料を使った料理が、飲食店などで本格的に提供されるのは初めてだという。

 アップルクリレは、化粧品原料製造の「日本ハルマ」(青森県弘前市)が考案、県産業技術センターや弘前大学と共同で研究を重ね、開発や商品化を進めてきた。

 チシマザサを搾って化粧品の原料とする「高圧圧搾」の技術を応用し、ジュース製造後の、従来は廃棄されてきたリンゴの未利用部分を特許製法(2012年に特許取得)でさらに搾る。抽出された原液を濃縮して生まれたのがアップルクリレだ。ペクチンやポリフェノール、カリウムなどの栄養素をリンゴジュース以上に豊富に含む一方、カロリーは砂糖やハチミツより低い。

 ホテルJALシティ青森の朝食ブッフェで、これを使った料理を味わえる。「青森りんごのビーフシチュー」「青森りんごの黒酢酢豚」などが、4月からメニューに加わった。自家製プリンのソースやサイダーなどにも使われており、黒蜜のような特有の風味や甘みを感じとることができる。

 日本ハルマの担当者は「地域資源をなるべく捨てずに生かす、という発想を大切にしてきた。フードロスなど環境問題への関心が高まる中、取り組みや商品の素晴らしさを広く知っていただき、今後の販路拡大につながればありがたい」と話している。(杉山圭子)

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