2024年9月19日、テレビ演説をするナスララ師。テレビ画面から=ロイター

 レバノンで2日連続で起きたポケットベルやトランシーバーの同時爆発をうけ、イスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ナスララ師は19日演説し、関与が指摘されるイスラエルが「厳しい報復と当然の裁きを受ける」と宣言した。イスラエル軍は20日、レバノンの首都ベイルートを空爆。国境地帯でもガザ地区での戦闘開始後、最大規模とみられる交戦が続いている。

 死者37人、負傷者約3千人を出した17、18日の連続爆発について、ナスララ師は「イスラエルは2分間で5千人を殺害しようとした。大規模テロ、大虐殺であり、宣戦布告だ」と強く非難。「安全保障と人道に前例のない打撃を受けた」と、被ったダメージの大きさを認めつつ、「敵は欧米の支援を受けて技術では優位にあるが、努力と犠牲と消耗戦が我々の戦いだ」と徹底抗戦を誓った。

 一方でナスララ師は、イスラエルの狙いはガザ地区のイスラム組織ハマスとヒズボラの共闘の阻止だと分析し、「ガザ侵攻が終わらない限り、レバノン戦線は止まらない」と強調した。イスラエルのネタニヤフ政権が、新たな目標としてヒズボラとの戦闘で避難している北部の住民6万人の帰還を掲げたことについても「帰還の唯一の方法はガザ侵攻をやめることだ」と指摘。ガザでの停戦合意によってイスラエルへの攻撃を収束させることに含みを残した。

 イスラエルは戦線拡大に向け…

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