ロケットエンジンの燃焼実験の装置をチェックする学生たち=2024年9月21日午後2時23分、高知工科大グラウンド、蜷川大介撮影

 高知工科大(高知県香美市土佐山田町)のグラウンドで9月21、22両日、学生らが自作したロケットエンジンの燃焼実験があった。6年ごしの計画で初めての実験で、製作に協力した企業関係者ら約50人が現地で見守った。

 取り組んだのは、ロケットの打ち上げを楽しむ文化系クラブ「RaSK」(Rocket and Sat community of KUT)。メンバーは30人。

 直径約10センチの配管をつないだ全長2メートルほどのロケットを、年1~2回、カナダ製のエンジンで打ち上げてきた。18年からは自前のエンジンで飛ばしたいと、香美市の工作機械製造会社山崎技研などの協力を得て、設計図を描き、部品を作ってきた。コロナ禍による活動停止、再開をへてエンジンの試作機を作りあげた。

 固体燃料と液体燃料を組み合わせたハイブリッドエンジン。直径10センチ、長さ30センチの金属の筒にロウソクのロウに似たワックスを詰め、液体燃料を吹き込みながら燃焼させる。筒の断熱材など12部品のうち、固体燃料など2部品を学生が製作した。

 実験では、エンジンを取り付けた金属の骨組みを地面に杭で打ち込んで固定した。

 参加者は30メートル以上離れて点火を見守った。21日は電気を送っても火花が飛ばない不具合などで着火しなかった。22日の夕方、見物人も減った5回目の挑戦で点火に成功し、エンジンから勢いよく炎が出て3秒ほどで消えた。燃料圧や推進力のデータを計測した。

 RaSKのエンジン開発プロジェクトを統括してきたシステム工学群4年生の安田裕貴さん(24)は「初めての燃焼実験が成功してうれしい。データを分析し、実際にロケットに搭載するエンジンの製作に生かしたい」と話した。(蜷川大介)

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