千島列島の占守島で2025年8月18日に開設式典が開かれた第2次世界大戦の戦勝記念施設=サハリン州政府の事前発表から

 第2次世界大戦で日本が降伏した後、奇襲した旧ソ連軍と日本軍が激しく戦った千島列島の占守島で18日、ロシアが戦勝記念施設の開設式典を開いた。プーチン大統領は「第2次世界大戦後の命運を決する最後の戦いの一つだった」とのメッセージを寄せ、攻撃を正当化した。

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 第2次世界大戦末期の1945年8月8日、旧ソ連は日ソ中立条約を一方的に破棄して日本に宣戦布告。日本が無条件降伏した後の同月18日に占守島への攻撃を始め、3日後に日本軍が降伏した。

 新しい施設には慰霊碑のほか、島に残された戦車などを展示。式典では、当時の戦闘の再現劇も行われた。

 プーチン氏側近のキリエンコ大統領府第1副長官も駆けつけ、プーチン大統領のあいさつを代読。「我が軍の迅速な行動が日本の降伏を避けられないものにし、中国や朝鮮、東南アジア諸国の人民を絶滅や服従から救う重要な役割を果たした」とし、「歴史の継承と、若者への愛国教育に役立つ」と強調した。

 プーチン政権は第2次世界大戦での対ナチス・ドイツへの勝利をロシアの歴史的な功績とする。ウクライナ侵攻では、同国のゼレンスキー政権を「ネオナチ」と根拠もなく非難。侵攻を第2次大戦の「偉業」と重ね合わせるため、対独戦勝80年となる今年は、各地で第2次大戦関連のイベントを開いている。

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