2024年8月1日、米ホワイトハウスで、ロシアから解放された人たちの家族と言葉を交わすバイデン大統領(右)=ロイター

 米国とロシアを含む7カ国は1日、各国で収監されていた24人の身柄を交換した。スパイの罪でロシアで禁錮16年の実刑判決を受けた米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシュコビッチ記者も解放された。米政府は、冷戦後としては最大規模の「囚人交換」だとしている。

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 米政府によると、この交換によってロシアで収監されていたドイツ人や米国人ら16人が解放された。引き換えに、欧米諸国で拘束されていた8人がロシア側に引き渡された。また米メディアによると、この8人に加えて2人の子どももロシア側に渡った。

 バイデン米大統領は「何年間も不当に拘束されていた人たちもいる。全員が想像を絶する苦しみと不安に耐えてきた。彼らの苦悩は今日で終わった」と述べた。米政府は今回の取引を「外交上の偉業」だと位置づけており、とりわけ複雑な交渉過程において、ドイツ政府の協力が重要だったとしている。

 受刑者交換の仲介役を担ったトルコ政府の発表によると、受刑者らの交換は1日に同国の首都アンカラであった。受刑者らのアンカラへの移動には7機の飛行機が使用され、米国が2機、ロシアやドイツ、ポーランド、スロベニア、ノルウェーが各1機を出した。

 ロシアから解放された米国人は3人で、ゲルシュコビッチ記者のほか、ロシア系ジャーナリストのアルス・クルマシェバ氏、元米海兵隊員ポール・ウィラン氏。ほかにもロシア野党指導者のイリヤ・ヤシン氏や、政治犯として収監されていたロシア人活動家なども解放されたという。

 一方で、欧米で拘束されてい…

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