2025年5月16日、イスタンブールで開かれたロシア(写真右)とウクライナ(写真左)の代表団による直接協議。写真奥はトルコ側の出席者=トルコ外務省提供

 ロシアによるウクライナへの侵攻をめぐり、両国の直接協議が23日、トルコのイスタンブールで始まった。1カ月半ぶりの再開だが、ウクライナに事実上の降伏を求めるロシアの姿勢に変化はなく、事態が大きく動くことは難しい情勢だ。

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 両国の代表団は同日夜、6月2日以来、今年3回目となる協議を始めた。議題について、ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、「捕虜の帰還、ロシアに拉致された子どもたちの帰還、首脳会談の準備」の3項目を挙げていた。

 これに対し、ロシアのペスコフ大統領報道官は23日、「(和平条件を記した双方の)『覚書』案について議論する」とし、「非常に難しい協議になる。(覚書)案は正反対だ」と発言。首脳会談についても、「この複雑な作業を終えずに、決めるのは適切でない」と否定的な考えを示した。

 6月にロシアが提示した覚書案は、一方的に併合を宣言したウクライナ東部・南部4州からの同国軍の完全撤退など実質的な降伏を求めており、ウクライナにとっては同意できない内容だ。

 両者の仲介に意欲を示すトラ…

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