ロシアによるウクライナ侵攻をめぐって、ローマ教皇レオ14世が停戦交渉の仲介役に意欲を示している。トランプ米大統領が仲介者としての役割を後退させるなか、ウクライナや欧州では米国人教皇への期待がにわかに高まっている。背景には何があるのか。
「教皇を代表とするバチカンが、交渉協議の主催に非常に関心を持っている。さあプロセスを始めよう」。トランプ氏は19日、ロシアのプーチン大統領との電話協議を終えた後、自身のSNSへの投稿で、ウクライナ侵攻の停戦をめぐる今後の協議がバチカンで開かれる可能性を示唆した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は18日に就任ミサを終えたレオ14世と面会。教皇がウクライナとロシアの直接交渉の場にバチカンを提供する意思を示したとして感謝を述べた上で、「聖座の権威と声はこの戦争を終結させるために重要な役割を果たせる」と期待を表明した。
ロシアとウクライナの停戦をめぐって、就任間もないレオ14世の存在感が急速に増した背景には、複数の要因がある。
その一つが、ウクライナ情勢…