ロシア国防省は29日、ベロウソフ国防相が北朝鮮を訪問し、努光鉄(ノグァンチョル)国防相と会談したと発表した。ベロウソフ氏は会談で「軍事協力を含め、友好関係は急速に拡大している」と両国関係を評価。ウクライナ侵攻を続けるロシアに北朝鮮が兵士を派遣するなか、軍事協力の強化などをめぐって議論したとみられる。
会談でベロウソフ氏は「今日の会談は防衛分野のパートナーシップを強固にする」とも述べた。努氏は「両国の防衛力と安全保障の強化を促し、両軍の友好と協力、発展を促進する有益で建設的な提案を交換するための重要な瞬間となる」と応じた。
ロシアと北朝鮮は6月に結んだ「包括的戦略パートナーシップ条約」を11月に相次いで批准。条約には有事の際の相互の軍事支援が盛り込まれており、批准書の交換で発効する。
北朝鮮はロシアへの弾薬などの提供に加え、兵士の大規模な派遣にまで踏み切ったが、韓国政府は6月の条約締結後に派遣の議論が始まったとみる。また、韓国政府は北朝鮮がロシアに自走砲なども送り、見返りに「対空ミサイルなどの支援を受けたと把握している」としており、ロ朝の軍事協力は深まる一方だ。
ロシア国防省によると、ベロウソフ氏は北朝鮮の軍指導部などと会談する予定。韓国の専門家はベロウソフ氏の訪朝について「最新の戦況に合わせた軍事協力のあり方を協議する場になるだろう」とし、ベロウソフ氏が金正恩(キムジョンウン)総書記と会う可能性もあると指摘している。