2050年には全世帯に占める一人暮らし(単独世帯)の割合が44・3%に達する――。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は12日、そんな将来推計を公表した。単独化は加速しており、33年には全世帯の平均人数が初めて2人を割り込むという。
社人研は5年に1度「日本の世帯数の将来推計」を公表。今回は20年の国勢調査をもとに、20~50年を推計した。
世帯総数は、30年の5773万世帯をピークに減少に転じる。一方、世帯人員が1人である単独世帯は36年をピークに減るが、全世帯に占める割合は上がり続ける。20年の38・0%から、50年には44・3%と6・3ポイント上昇する見込みだ。
単独化は想定以上のスピードで進んでいる。15~40年を推計した前回(18年)は、30年に37・9%、40年に39・3%と見込んでいたが、今回は30年に41・6%、40年に43・5%と、それぞれ4ポイント程度上ぶれした。これは、15~20年の間に実際の単独世帯の割合が著しく増加したことが影響したという。
特徴的なのは、高齢者の単独化だ。65歳以上の人のうち、一人暮らしの割合は、20~50年で女性が23・6%から29・3%に、男性は16・4%から26・1%に上昇する。女性はもともと長生きで一人暮らしが多い傾向にあったが、男性は未婚率の上昇によって今後、急激に増える。
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