延長十二回裏ロッテ1死一、二塁、サヨナラ適時二塁打を放ちガッツポーズする西川史礁=日刊スポーツ

 (18日、プロ野球 千葉ロッテマリーンズ2―1北海道日本ハムファイターズ)

 がむしゃらだった。

 決めていたことは、ただ一つ。「ストライクゾーンに来たらぜんぶ打ってやる」。それだけだった。

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 延長十二回。1死一、二塁の場面で、ロッテのドラフト1位ルーキーの出番はやってきた。

 この回の攻撃が始まる前からベンチの奥でヘルメットをかぶり、バットを握りしめていた西川史礁(みしょう)が右打席へ向かう。吉井理人監督から「攻める気持ちが強い選手なので」と送り出された22歳だ。

 その初球だった。

 真ん中付近に来た141キロのツーシームをとらえると、打球は右中間で弾む。サヨナラ勝ち。先輩たちが一斉にベンチから飛び出してきたが、涙で視界がぼやけた。「どんな球を打ったのかも覚えていない。とにかく最高。野球人生で一番うれしい瞬間だった」

 苦しかった。

 青学大から鳴り物入りで入団し、オープン戦で打率4割超を残して開幕を1軍で迎えた。シーズンに入っても球団新人タイ記録となる開幕から5試合連続安打を放つなど、好スタートを切ったかに思えた。

 が、その後はパタリと快音が…

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