大阪・関西万博のスイス館で6日、先端技術を駆使した「ロボフード」の発表会があった。ゼラチン成分などを使った「食べられるロボット」で、環境への配慮などの狙いがあるという。
ロボフードは、ロボット工学とガストロノミー(美食学)の考え方を組み合わせ、金属やプラスチックではなく食品由来の材料でつくったロボットなどの総称だ。
スイス連邦工科大ローザンヌ校のダリオ・フロレアーノ教授らの研究チームが開発しており、同校に留学していた電気通信大准教授の新竹純さんのアイデアが元になったという。
発表会では、ケルセチンなどでつくった基板をチョコレートでくるんだ充電式電池や、炭酸ガスを動力源にして動くゼラチン製でザクロ味の熊のロボットなどが登場。実食した参加者らは「想像以上においしい」と口をそろえた。
研究チームは、ロボットを使った後に廃棄する部品などが出ないため、環境への負荷を減らすことができるとする。将来的には、魚やエビの形のロボフードが皿の上で動き出すような新しい食体験も提供したいという。フロレアーノ教授は「値段や味には課題も多いが、多くの可能性を秘めた分野だ」と話した。