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インドネシアで拘束された、フィリピン北部バンバン市のアリス・グオ前市長=2024年9月4日、フィリピン入国管理局提供

 人身売買の温床となっていた中国系カジノ組織の操業に関与したとして、フィリピンの捜査当局は6日、北部バンバン市のアリス・グオ前市長(38)を収賄容疑などで逮捕した。グオ容疑者は逮捕後の会見で、「組織から、殺害すると脅迫されていた」と述べた。

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 フィリピンメディアによると、グオ容疑者はカジノ組織とのつながりを指摘され、8月に市長職を解任された。今月4日に滞在先のインドネシアで現地当局が拘束し、強制送還された。

 アバロス内務自治相は6日、地元テレビのインタビューで、「彼女は殺害予告を受けていた。逮捕され、身の安全が保証されることに安堵(あんど)しているようだ」と語った。

 捜査当局は今後、カジノ運営への関与の実態を詳しく調べるとともに、国籍や身分を詐称していた疑いについても捜査を進める方針だ。

 事件の発端となったのは、主に中国人客をターゲットにした「POGO」と呼ばれるオンラインカジノ施設だ。

 前ドゥテルテ政権下の2016年に導入された制度で、約100社が事業認可を受けた。ただ、近年は犯罪の温床になっているとして問題になり、業者の摘発や被害者の救出が相次ぐ。マルコス大統領は7月、「法制度に対する重大な乱用」として、捜査の強化と早期の閉鎖を命じた。

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