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バッキンガム宮殿での晩餐(ばんさん)会を前に、記念撮影に応じる天皇、皇后両陛下、チャールズ国王夫妻=2024年6月25日、ロンドン、嶋田達也撮影
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 在日英国大使館は28日、国賓として英国を訪問している天皇、皇后両陛下が予定されていた公式行事を終えたことを受け、ジュリア・ロングボトム駐日大使の総括コメントを出した。コメントは以下の通り。

 この度の天皇皇后両陛下の国賓訪問が成功裏に終了したことに対し、心から感謝と安堵(あんど)の気持ちを抱いております。このご訪英は、2019年から数年にわたる準備期間を経て実現したものであり、このような歴史的な出来事に関わることができたことを非常に光栄に感じております。

 今回のご訪英は、日英関係にとってまさに絶好のタイミングで行われました。天皇陛下が国賓晩餐(ばんさん)会のスピーチで述べられたように、英国と日本は「かけがえのない友人」であり、日英関係はかつてないほど強固なものへと発展しています。我々はこれまでCPTPP(米国抜きの環太平洋経済連携協定)、GCAP(グローバル戦闘航空プログラム)、サイバーセキュリティー、デジタル、洋上風力発電、科学技術など、さまざまな重要分野において新たなパートナーシップを築いてきました。特に、昨年の広島アコードの合意は、これらの協力関係をさらに促進させる追い風となりました。

 また、両国民の心温まる人と人の絆を目の当たりにすることができました。これは、国王陛下と天皇陛下が生物多様性と環境保全に共通の関心を抱いていることが示すように、王室と皇室の親密さも含まれています。国際的な金融およびビジネスサービスの先駆的なエコシステムであり、革新的な研究機関や学術機関も包括するシティー・オブ・ロンドが主催した晩餐会には、両国のビジネス界を代表するゲストの方々がご出席されました。晩餐会は、両国の市場間や自治体間の連携を通じた、歴史に根付く日英協力の深化を象徴するものでした。また、日英の科学者や研究者たちによる遺伝学、幹細胞再生に関する先駆的な協力に関しても、今回の公式プログラムを通じて再確認されました。

 天皇皇后両陛下が、日英パートナーシップの次世代を担う子供たちと笑顔で交流されるお姿や、両国の芸術や文化が世代や国を超えて相互に影響し続けている様子をご覧になるお姿を拝見し、大変感慨深いものでした。

 今回のご訪英により、日英関係が未来に向かって進んでいることを世界に発信することができました。また、将来のパンデミックの危機に備えて、ウイルスの変異株を追跡しワクチンを開発するなど、新たな治療法を模索しながら、持続可能な社会を築き、地球をより平和で安全な場所にするため両国で協力していくことが改めて強調されました。命を救うための世界との協力をテーマとする2025年の万博への英国の貢献や、来年の空母打撃群の訪問、そしてその先まで、私たちは共に歴史の新たなページを刻んでいきます。教育やその他の交流を通じて、人と人との絆もますます深まることを願います。

 私たちは、今まさに日英関係の新時代を迎えています。次の400年の物語を、日本の皆さんと共に紡いでいくために、これまで以上に強固な信頼関係と未来志向のパートナーシップを築いてまいります。(力丸祥子)

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