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音声機能を使って通話をする神戸洋介さん=2024年9月24日午後4時37分、東京都町田市、三宅梨紗子撮影
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 どんな障害があっても、何歳になっても一人暮らしをしたい――。親と暮らす障害者が多い中、自立を望む人たちがいる。ただ、一人暮らしの選択肢は十分に広がっていない。重度の身体障害と知的障害があり、家族と同居を続けていた男性は、「練習ができる場」でその一歩を踏み出している。

 神戸洋介さん(31)は、出産時のトラブルで低酸素状態になり、両足と右手が自由に動かせない。車いすに乗り、電話などのスマートフォン操作には、ある程度動かせる左手と音声入力機能を使っている。食事や入浴などには介助が必要だ。

 現在は東京都町田市内の実家で両親らと暮らす。主に母親の美奈さん(59)が介助をしていたが、年齢とともに体力の衰えもあり、「自分たちが元気なうちに、少しでも息子が生活に困らないような準備をしていきたい」と話す。

 市内には重症心身障害者がすぐに入れるグループホームが見つからず、見学に行った入所施設では息子が自由に暮らせないと感じた。

 そこで3年前からは、実家近くにある一人暮らし体験ができるアパートに通い始めた。特定非営利活動法人「町田ヒューマンネットワーク(MHN)」が運営する「とりあえずの家」だ。

 今は月1回、1週間ほどを過ごす。複数のヘルパーが夜間も交代で訪れ、生活をサポートしている。

 神戸さんには、実家を離れる寂しさもあるというが、「一人暮らしをしてみたい」との思いもある。好きなときに一人で、時には友人と外食できることが楽しみだという。今後は別のアパート探しを始める予定だ。

40代前半でも5割が親と同居 自立したくても……

 同法人の堤愛子副理事(70)によると、家族からの相談は増えている一方、環境整備は進んでいないという。

 不動産会社が入居を許可した場合でも、家主がバリアフリーに改修することを認めないなど、物件探しが難航する場合もある。自立生活をする上で欠かせないヘルパーの数も足りていないという。

 1989年に活動を始めて以…

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