(10日、第107回全国高校野球選手権兵庫大会2回戦 網干9―2川西明峰)
どれだけ点差が離れようが食らいついていく。そんな3年生の姿に、川西明峰の硬式野球部の女子部員、小泉まりさん(2年)は思った。「3年生がいたから、心が折れなかった」
小学2年のころに野球を始めた。高校で野球を辞めようと思ったが、選手らを見学していると、「やっぱり野球がしたい」と入部を決めた。
ただ、何度も「辞めたい」と思っていた。
練習についていけず、「迷惑になってしまうのでは」と考えることがあった。そして、「背番号はもらえない。公式戦ではベンチに入れない。目標が立てられない」。
それでも、練習では「試合には出られないけど、同じ練習をして、自分もチームの一員として頑張りたい」と、同じメニューをこなしてきた。つらいときは、3年生が声をかけて、支えてくれた。
ボールパーソンとしてグラウンドに立った。試合に敗れ、涙を流す3年生の姿を見て不明瞭だった目標が少しみえた。
「私は公式戦に出られないけど、3年生のようにどんなときでも諦めずに頑張りたい。そして、3年生の悔しさを来年晴らしたい」