みなさん、こんにちは。プーチン大統領が4月19日、30時間の一方的な休戦を発表しました。モスクワ時間の同日午後6時から21日午前0時までが対象で、ロシア正教の復活祭(パスハ、Пасха)を理由としています。
- プーチン氏、30時間の休戦宣言 19日夕から 実効性は不透明
ニュースレター[駒木明義と読むロシアから見える世界] 登録はこちら
ロシア情勢が専門の駒木明義記者が書き下ろす「駒木明義と読むロシアから見える世界」は、有料会員限定で隔週水曜にメールで配信します。
プーチン氏の狙いは明確です。停戦が実現しないことにいらだちを見せ始めているトランプ米大統領に対して、「ロシアには停戦の用意がある。実現しない責任はウクライナ側にある」というメッセージを伝えたかったのでしょう。
トランプ氏は18日、ロシアとウクライナが停戦に協力しなければ、仲介から手を引く考えを示唆していました。
プーチン氏の突然の「休戦宣言」は、この発言を受けて慌てて発表したのだと思われます。トランプ氏が停戦は無理だと見切りをつけたとき、その怒りの矛先がロシアではなくウクライナに向くように仕向けたいのです。
こうした狙いは、プーチン氏の発言をみるとよくわかります。クレムリンでゲラシモフ参謀総長に停戦の決定を伝えた際に、以下のように語ったのです。
「パスハ休戦についての我々の決定は、ウクライナ危機の根本原因を取り除くことを目指す和平協議のプロセスにおいて、ウクライナ側にどこまで誠実に合意を順守する用意や意思や能力があるのかを明らかにするだろう」
停戦に向けた進展がなければ、ウクライナ側にその気がないか、その能力がないからだ、というわけです。
実際、30時間が終わると…