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2024年7月28日、記録的な大雨被害を受けた北朝鮮北西部平安北道の現地を視察する金正恩総書記。朝鮮中央通信が29日、配信した=朝鮮通信
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 北朝鮮の朝鮮中央通信は29日、北西部平安北道新義州市など中国との国境地帯で記録的大雨による洪水が起き、約5千人が一時的に孤立した、と報じた。現地を視察した金正恩(キムジョンウン)総書記は救助に当たった軍人らをたたえた一方、防災当局者らを「無責任で非戦闘的な姿勢」と批判したという。

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 同通信によると、27日に降った大雨の影響で、中朝国境を流れる鴨緑江が一部で氾濫(はんらん)し、地域住人ら5千人以上が洪水危険区域内に一時孤立する事態となった。同通信は水位が民家の屋根付近にまで及んでいる様子や、金総書記の乗る車のタイヤの上部まで水につかっている様子などを撮影した写真を配信した。

 空軍のヘリコプター約10機が出動。それぞれ20回以上往復し、約4200人を救出したという。行方不明者数や死者数などの被害規模は明らかにされていない。

 28日に現地を視察した金総書記は救助活動について「わずか半日余りで浸水地域の多くの人々を救助したことは、まさに信じられない奇跡」とパイロットらを称賛。一方、「災害発生時に必要な救助手段が全くなく、防災機関が無力」と防災当局者を批判。「この機会に全国すべての党と政府機関に注意を喚起する」と述べたという。

 金総書記は今月11~12日、北朝鮮内で「革命の聖地」に位置づけられる白頭山がある北部両江道の三池淵市で建設が進んでいた観光客向けの宿泊施設を視察。その際も「手抜き工事」に激怒し、建設当局者らを処分したと同通信が14日に伝えている。(河野光汰)

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