本当に学びたいことができたから。スキルアップのため。定年退職後の新たなチャレンジとして――。近年、「学び直し」への注目が高まり、活用できる機会も多様化しています。とはいえ、関心はあるけれど初めの一歩を踏み出せずにいる、という人も少なくないのではないでしょうか。社会人経験を経て、再び大学の門をくぐった2人に、動機や得たものについて聞きました。
まなviva!(学び場)
幼い子どもから人生のベテランまで。「学び」をとりまくさまざまな話題をとどけます。
「たぎらない」感じる日々 一変させた一冊の本
東洋大大学院(東京都文京区)の博士後期課程2年で、心理学を学ぶ柿本航哉さん(34)を突き動かしたのは、一冊の本だった。
慶応大薬学部を卒業し、薬剤師の資格を取得。大手製薬会社に就職し、希望した国際マーケティング関連の仕事も手がけた。しかし、どこか「たぎらない」と感じる日々だった。「学生時代の友人が楽しそうに仕事の話をするのを聞いて、自分は満足できていないんじゃないか、とモヤモヤしていた」
そんなとき出会ったのが、ダニエル・カーネマン著「ファスト&スロー」。人間の判断や思考を行動経済学や認知心理学の観点から論じた著書で、日ごろ感じていたことと重なる部分が多く、「インパクトがあった」という。経済格差が心理面に与える影響について、関心が高まっていたタイミングでもあった。
振り返れば、学生時代は部活…