日大豊山―帝京 先発した帝京の岩本=2025年7月21日午前9時2分、神宮、武田遼撮影

(21日、第107回全国高校野球選手権東東京大会5回戦、帝京6―5日大豊山)

 1番打者の一振りが流れを変えた。

 4点を追う七回裏2死。帝京の酒井大雅(3年)は2球目のスライダーを左翼席に運んだ。「こんなところで絶対負けない。甲子園に行くために、きつい練習に耐えてきたんだから」。この一打でチームは勢いづき、八回には4長短打で同点に。なお2死一、二塁で再び、酒井が勝ち越しの左前適時打を放った。「自分のホームランから、流れを持ってこられた」

 帽子のつばの裏には、大会前に金田優哉監督が一人一人に気持ちを込めて書いた「魂」の文字。金田監督もベンチから、「執念」「魂」と何度も叫んだ。勝利を導いた1番打者は「勝つしかない、逆転するしかないとずっと言っていた。執念を見せて勝つことができた」と笑顔を見せた。

 4回戦も延長タイブレークにもつれこむ接戦だった。「ここまできたら執念。ぎりぎりの戦いだけど、勝ったチームが強い。粘り強くいきたい」と金田監督。試合後、次の試合でベンチに入って来た関東第一の米沢貴光監督と目が合った。そして、短い言葉を交わした。「決勝で」=神宮

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