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静けさの森でのアート作品出展に関わった宮田裕章氏(左から3人目)ら関係者=2025年3月12日、大阪市住之江区、岡純太郎撮影
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 4月開幕の大阪・関西万博の会場に設けられる「静けさの森」に出展する芸術家と作品の発表会が12日、大阪市内であった。森に植えられた草木と芸術作品により、「自然と芸術家たちの作品のコラボが楽しめる」としている。

 芸術家4人と1団体が、五つの現代アートを展示する。アルゼンチン生まれでドイツで活躍するトマス・サラセーノ氏は、雲や鳥の巣のようなオブジェをワイヤを使って浮かばせる。その狙いは「生命の多様性を感じさせる」作品だ。

 植物学者でもあるイタリア出身のステファノ・マンクーゾ氏が率いるチームの作品は、樹木が二酸化炭素を取り込み酸素を出す気孔の動きを模倣したとし、「植物として生きる」ことを直感的に感じられるという。

 このほか、金沢21世紀美術館の「スイミング・プール」で有名なレアンドロ・エルリッヒ氏、フランス出身の作家ピエール・ユイグ氏、オノ・ヨーコ氏の作品を展示する。

 静けさの森は会場の中心部に位置し、広さ約2・3ヘクタール。1970年の大阪万博の会場となった万博記念公園(大阪府吹田市)などから移植された、季節に合わせて楽しめるサクラなど様々な樹木約1500本が植えられている。

 作家の選定にも関わった万博のテーマ事業プロデューサーの一人で、データ科学者の宮田裕章慶応大教授は「季節や天候で異なった表情を見せる森とアート作品のコラボを通じ、自然や文化、人間のつながりを感じてほしい」と話した。

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