大阪・関西万博の運営費について、主催する日本国際博覧会協会の副会長を務める大阪府の吉村洋文知事は31日、「8月中には損益分岐点を超え、黒字になる見込みだ」と述べた。大阪市内で開かれた関西広域連合委員会で報告した。
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吉村氏は運営費の約8割をまかなう入場券の販売枚数をめぐり、すでに1700万枚が売れ、直近では週当たり40万~50万枚程度を売り上げていると説明。このまま推移すれば8月中にも損益分岐点とされる約1800万枚に到達し、黒字化を達成する見込みだと報告した。
吉村氏は委員会後の会見で、「赤字になったらどうするのかというのは非常に大きな課題でもあった」とし、「多くのみなさんが万博に来て楽しんでいただいたその結果として黒字の見込みになっていることは非常に大きなことだ」と語った。
協会副会長を務める関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)も同日、取材に対し「私も黒字になると思っている」と述べた。
ただ、万博ではP&R(パーク・アンド・ライド)の利用低迷や、今後台風などの災害があった場合の対応など、収支を押し下げる懸念も残っている。また、協会は運営費の暫定収支見込みが出せるのは、9月下旬だと説明してきている。債権・債務の処理の状況などにより、その後に収支が大きく変動する可能性もあるとしている。
協会の小野平八郎副事務総長(財務担当)は6月下旬の会見で、「(万博の)会期が相当おしつまらないと、本当に剰余金(黒字)が出るのか確定しない。8月末の段階では(収支見込みが)出ない可能性が高い」と話していた。