幾何学模様の赤い刺繡(ししゅう)があしらわれた黒いドレスや、花の模様が刺繡された麻のワンピース――。大阪・関西万博で1日、パレスチナのナショナルデーに合わせてファッションショーが開かれた。
司会をした女性が会場外にもあふれるほど集まった観客に訴えた。「パレスチナのことを話し続けましょう。沈黙はやめましょう」
ショーで披露されたドレス9着は駐日パレスチナ常駐総代表部のワリード・シアム代表の亡き母のコレクションだ。イスラエルの建国に伴い、大量の難民が発生した1948年以前に作られたものだという。
ショーではパレスチナの伝統衣装だけでなく、和服を身にまとった女性も登場。帯には、パレスチナの女性たちが手縫いをした伝統的な柄の刺繡がほどこされている。
きっかけは現地で見た占領と日常
ショーの司会を務めた山本真希さんは約10年前、パレスチナの刺繡を帯に入れる活動を始めた。刺繡はすべて現地の女性たちによる手作業だ。
山本さんが初めてパレスチナ…