4月13日に開幕する大阪・関西万博。10年余り前から始まった誘致活動では、3兆円とも言われる経済効果が高らかにうたわれた。
建設にも運営にも、官民が巨額のお金を投じるので、確かにその分は仕事が生まれ、働き手も必要になる。でも本当に、前向きな効果を得られるのだろうか。大阪勤務の経験もあるエコノミスト、日本総合研究所の石川智久さんに聞いた。
――大阪・関西万博について、経済産業省は2.9兆円という経済効果をはじいています。どうすれば、達成できると思いますか?
「まず目標とする来場者(約2820万人)を呼ぶのが大事です。それに万博に来た人に、各地に滞在してもらう工夫が必要です」
「万博は会期が半年間と長く、これまでの万博でも、期間中に改良が加わり、尻上がりによくなっています。最初に予想と違うことがあっても、スピーディーに改良していくことも重要です」
――機運は高まっていないようにみえます。
「コロナ禍もあって準備がなかなかスムーズにいかなかったので、不安が広がったかと思います。でも、大阪では徐々に機運も高まりつつあると思います。希望的観測ですが、前評判がちょっと厳しかった分、前向きな驚きは大きいんじゃないかと」
――経済効果は「大阪だけ」とはなりませんか?
「関西だけでは担えないプロジェクトですから、全国に波及効果はあります。たとえば万博で売られる商品や食事などは、全国各地の道具や素材を使います。会期が半年もあれば、口コミが広がり、全国の人がやってくることも期待できます」
――そうなれば、各地の旅行会社などにも商機が出てくる、と。
「そうです。それに海外客の場合は、遠くから来る人には極力長く日本で滞在してもらって、近くから来る人には極力回数を増やしてもらって、関西から全国に足を運んでもらうようにしていくことが重要です」
――外国人については、わざ…