大阪・関西万博の会場外にある東ゲート施設西棟の喫煙所。喫煙者がひっきりなしに出入りしていた=2025年5月26日午後6時5分、大阪市此花区、西晃奈撮影

 大阪・関西万博を主催する日本国際博覧会協会は26日、6月上旬までに会場内に喫煙所を3カ所設置すると発表した。これまでは、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を踏まえて、会場内を全面禁煙としてきたが方針を転換する。

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 喫煙所は現在、会場外にある東ゲート施設の東棟(収容人数132人)と西棟(同100人)の屋内2カ所にある。だが、会場内にいる人がたばこを吸うためには、いったんゲートを出る必要があり、喫煙者から不満の声が上がっていた。また、会場内で隠れて吸っているケースも散見されたという。

 こうした状況を受けて協会は、西棟の喫煙所を会場内からの利用者専用に改修する。さらに、会場中央を取り囲む大屋根リングの西側にある「EXPOメッセ」の付近(同68人)と、北側にある「リングサイドマーケットプレイス東」近くのトイレ付近(同43人)に喫煙所を新たに設ける。

 新設する2カ所は塀で囲む屋外の開放型喫煙所で、煙は上部から排出する。来場者への副流煙などの影響を、協会は「基本的にほぼない」としている。

 また、会場の人工島・夢洲では地中からメタンガスが発生し、爆発事故も起きているが、喫煙所を新設する場所は「メタンはあまり出ていないところにした」と協会は説明している。

 会場内の全面禁煙は万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に沿った方針だったが、26日に会見した協会の高科淳副事務総長は、「今の状況を考えると、客の利便性やニーズが非常に強くある。決められた喫煙所だけで吸うことを徹底し、大きく何かそれたような形にならないようにしたい」と説明した。

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