大阪・関西万博の開幕が約1カ月後に迫るなか、日本国際博覧会協会は、当日券の導入や通期パスの割引などで低迷する入場券売り上げをテコ入れする考えだ。だが、チケットの種類や販売方法が増えることで購入希望者からは戸惑いや不満の声も上がっている。
- 万博入場券のテコ入れあの手この手 パス割引、当日券などが導入決定
「全ての世代の方々に楽しんでいただきたい。それぞれの世代、それぞれの地域の方々に本当に合った売り方を細かく考えていきたいと思っている」。2月25日、首相官邸で、全国知事会から入場券の購入システム改善を求められた石破茂首相は、こう応じた。
当日券、簡単来場予約チケット、通期パス割引も
協会はこの日、来場日に会場で購入してすぐ入場できる「当日券」と、本人確認のための「万博ID」を登録しなくてもネットで日時指定して買える「簡単来場予約チケット」(仮称)の導入を発表。さらに期間中に何度でも入れる「通期パス」について、5月までの来場者には、大人3万円のところを2万4千円で買える割引クーポンを会場で配布するとした。お得感を出して早期に万博に来てもらい、リピーターを増やす狙いだ。
昨年10月の予約不要の紙チケットの発売につづき、ここにきて新たな購入形態を矢継ぎ早に打ち出すのは、売れ行きへの焦りからだ。前売り券の売り上げは、3月5日時点で目標とする1400万枚の57.6%、806万枚にとどまる。
万博の会場は、陸路のアクセスが限られる大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)。来場者が殺到すれば事故につながりかねず、協会は来場日時の事前予約を原則とし、来場人数の抑制を図る方針だった。だがその結果、購入システムが「複雑だ」との批判が参加国からも続出。販売の低迷につながっている。
■「種類多すぎ」 「差額返金…