大阪・関西万博の会場へ来場者を運ぶ自動運転バスの事故で、現場は緩やかな下り坂で、手動運転中にバスが動き出してコンクリート塀にぶつかったことが、運行を委託されていた大阪メトロへの取材で分かった。
日本国際博覧会協会によると、事故は28日午後4時半ごろ、万博会場の夢洲に隣接する舞洲の「舞洲万博P&R(パーク・アンド・ライド)駐車場」のバス待機場で発生した。
大阪メトロなどによると、自動運転中に運転席のパネルに「エラー表示」が出たため、運転手が手動運転に変更。舞洲で乗客2人を降ろした後、待機場で「ニュートラル」のボタンを押してフットブレーキを踏み、速度がゼロになったの確認した。これらの操作で自動的に「パーキング」の状態になり、サイドブレーキも作動するはずだった。
運転手はエラー表示についてマニュアルを確認しようと、車内に置いていた携帯電話を取りに行こうと離席したところ、バスが動き出した。
運転席に戻ってハンドルを切ったが、約10メートル先の壁にバスの左側前方がぶつかり、壁の一部が倒れて、バスの一部も損傷した。待機場には壁に向かってゆるやかな下り勾配があった。
大阪メトロはこの事故を受けて、計5台の自動運転バスの運転を中止。操作ミスと機械の問題の両方の観点から事故原因を調べるという。