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大阪・関西万博の会場=2024年12月、大阪市此花区の夢洲、朝日放送テレビヘリから、水野義則撮影

 大阪府が2025年大阪・関西万博に府内の小中高校生らを学校単位で、無料で招待する事業をめぐり、府内の43市町村のうち、吹田市、交野市、熊取町は学校単位の参加をしない。理由について吹田市の教育委員会は「熱中症や安全面の対策が不十分」として、参加を見送ることを決めた。

 市教委によると、昨年7月に府教育庁へ子どもの健康対策や安全面について40項目の質問を送った。12月中旬までに25項目の回答があったが、15項目は明確な回答が得られなかったという。

 市教委は、昼食場所での熱中症対策や安全に行動するための動線、待機場所の確保が不十分と判断。1月上旬の校長会で学校現場の意向を確認し、学校単位では参加しないことを決めた。29日に市立小中学校全54校の児童・生徒宛てに文書で通知した。

 市教委の担当者は「学校行事として訪れないだけで、子どもたちが万博に行く意義は認識している」と話した。

 熊取町の町立小中学校校長会も、昨年12月に「子どもを安全に引率できない」として参加を見送ることを決め、校長連名の文書を保護者宛てに送った。交野市も昨年、参加の見送りを発表している。

 吉村洋文知事は30日、報道陣の取材に「府内43市町村・教委のうち40は招待事業に参加する。課題の熱中症対策も進めている。参加も40あることをしっかり報じていただければ」と強調した。

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