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奈良県が作成したボランティア向けのマニュアル。スケジュール管理や時間に余裕を持つようにといった注意事項が並ぶ

 奈良県が募集した大阪・関西万博のボランティアについて、いったん不採用となった約80人が翌週に一転、採用されたことがわかった。県万博推進室の担当者は「できるだけ多くの人に活躍してもらうために配置を見直した」としている。

 県などでつくる実行委員会は4、5、9月に会場でパフォーマンスや展示を予定している。県は催事の会場準備や来場者の案内を想定し、のべ450人のボランティアを2月に募集した。締め切り間際の段階で応募が約15人にとどまっていたところ、報道やSNSで話題となり、応募が急増。300人超の申し込みがあり、予定通り2月末で募集を締め切っていた。

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 当初は書類選考と面接を経て決める予定だったが、書類選考のみとし、委託事業者に選考作業とシフトの割り振りを委ねた。事業者から提出されたリストをもとに、県は今月17、18日に応募者に採否を伝えるメールを送った。このうち82人に対し、「想定より多数の応募があり、慎重に選考したが採用を見送る」と通知した。

 ところが、不採用となった一人から「自分は英語ができるのになぜ見送りなのか」との問い合わせがあった。改めて精査したところ、「条件的にぜひ来てほしいと思える人を不採用としていたことがわかった」(担当者)という。

 このため県はいったん不採用を伝えた82人の大部分にあたる76人に対し、「お力添えをいただきたい」と、シフトに入ってほしい日時とともに採用を伝えるメールを、翌週の24、25日に改めて送ったという。

 担当者は「事業者がまとめた内容を精査せずに不採用を伝えたのは早計で、反省している」と話す。5月下旬の3日間はエキスポアリーナで大規模な催事を行う予定で、「手厚い配置が可能になった。ぜひ多くの人に活躍してもらいたい」という。

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