建設工事が進む大阪・関西万博の会場=2025年2月4日午前11時17分、大阪市此花区、朝日新聞社ヘリから、筋野健太撮影

 大阪・関西万博を主催する日本国際博覧会協会が個人情報の取り扱いについて定めた「個人情報保護方針」への批判があがっていた問題をめぐり、協会は28日、内容を改訂したと発表した。これまで保護方針で取得するとしていた指紋や既婚・未婚の別などの項目を削除した。

 チケット購入時には原則として、本人確認のための「万博ID」の登録が必要で、保護方針への同意が求められる。協会は取得する個人情報として、氏名や性別、住所のほかに、指紋や顔画像などの「生体情報」▽パスワードを含む「SNSに関する情報」▽既婚・未婚の別▽子どもの有無などを挙げていた。

 さらに利用者の同意があれば、外国政府やSNS事業者、広告会社といった第三者にもこうした個人情報を提供すると明記。SNS上では「怖い」といった声が広がっていた。

 今回の改定ではこうした批判を受け、指紋や既婚・未婚の別、子どもの有無、趣味嗜好(しこう)などの項目は「誤解を生む」(協会幹部)として削除。個人情報の提供先から、SNS事業者や広告会社などを削除した。一方、顔画像や障害の有無に関する情報などは、運営の中で必要と判断し、保護方針の中に残したという。

 また、同日、方針について補足説明する「個人情報の取扱いガイド」も公表。ガイドでは「プライバシーを尊重し、ユーザーの個人情報を保護することを最優先に考えています」などとしている。

 協会幹部は、報道陣の取材に「本当に必要な情報を精査した。いろんな方がご心配されたのは申し訳ないと思う」と話した。

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