小中学生が2025年大阪・関西万博の会場を訪れる「教育旅行」の事業をめぐり、和歌山県の岸本周平知事は11日の定例会見で、参加の意向が低調だった紀南地域の学校を念頭に宿泊費を補助する案を示したが、希望する学校はなかったと明らかにした。
県は、県内の全小中学校と特別支援学校に万博の入場券代などを補助する事業を打ち出している。8月末までの意向調査では紀南地域で参加すると答えた学校が少なかった。
県万博推進課によると、さらに10月上旬に、宿泊費の補助があれば宿泊しての参加を希望するかを尋ねたところ、日帰りが難しい紀南地域で回答した74校のうち、希望すると答えた学校は無かった。希望しない理由として「すでに予定が決まっている」ことや、「児童・生徒や引率の教員に負担が大きい」ことなどを挙げたという。
教育旅行には、11日時点で163校が参加の意向を示しているという。
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県は11日、日本製鉄(東京都千代田区)と東京海上日動火災保険(同)から、それぞれ1万枚の万博入場券の寄贈があったと発表した。ほかにも2千枚程度の寄贈の申し入れや、約470万円の個人や企業からの寄付があるという。
県はさらに寄付を募っており、可能ならば「教育旅行」の支援の対象を高校生にも広げたいとしている。(松永和彦)