大阪府の吉村洋文知事は16日、首相官邸で開かれた大阪・関西万博の関係者会議に出席し、万博のシンボルとなっている「大屋根リング」の閉幕後の保存費用について、万博の運営費が黒字化した場合の剰余金を充てるよう石破茂首相に要請した。
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大屋根リングは、会場北東の200メートル部分を残す方針で調整が進められている。吉村知事は会議で、万博の運営費が黒字となった場合「運営費の剰余金を活用すべきだ。政府の皆様にご協力をお願いしたい」と求めた。
これに対し、石破首相は、「万博の成果と経験を共有し、後世に伝え、決して一過性のものにしないことは、万博を開催した私たちの責務だ」と強調。武藤容治経産相と伊東良孝万博担当相のもとに有識者や関係者を交えた枠組みを設けると説明しつつ、「成果の検証とレガシーの継承の具体化について透明性を持って検討を進める」と述べるにとどめた。
会議後に記者団の取材に応じた吉村知事は「剰余金は万博会場に多くの人が来ていただいたおかげで生まれたものだ」と説明。「万博会場で生まれた黒字を活用してその後も多くの人に楽しんでいただくことがふさわしいと考えた」と語った。